スノウが触れると、鏡の表面がまるで水面のようにゆらりと揺れた。
いつものようににっこりと笑って、スノウが私の手を掴む。
――いつものように?
いや、違う。
ルナ
(こんな顔をするスノウ、私知らない)
ぞくりと背筋が寒くなった。
スノウ
「さあ、女王。こちらへどうぞ」
ルナ
「……離して」
後ずさろうとしたが、出来なかった。
スノウの手の力は強く、私には振り払えない。
スノウ
「大丈夫です。怖くはありませんから。――さあ、一緒に参りましょう」