七海の父

「能力の有無は関係ない。家に戻れ、七海」

不知火七海

「だから、どうして――！」

宿吏暁人

「娘だからだろ。お前が」

不知火七海

（！）

不知火七海

「何を言ってるの、暁人。この人は私のことを道具としか見てない。
　娘だなんて、そんな……」

宿吏暁人

「道具のように扱われていようが、
　憎しみとか恨みしか抱けなくても親子は親子だ」

七海の父

「……まるで、私たちのことを全て知っているかのように話すな」

宿吏暁人

「俺は何も知らねぇよ。これはただの実体験だ。
　親は早くに死んじまったが、弟はいる。
　愛情しか存在しない関係なんて、この世にあるはずない。
　ここ数年で俺が学んだことだ」

七海の父

「……私に説教するために、わざわざ姿を現したのか？」

宿吏暁人

「ちげぇよ。
　あんたに示すためだ。
　俺が、どんな時でもこいつを守るってことを」