雪に閉じられた世界で暮らす、白狼族の王。
口数は少ないが、決断力があり、共に行動している群の者たちに尊敬されている。
口笛で狼を呼び、共に狩りをする。
雪山という厳しい環境で、決して食べ物は潤沢ではないが、分け合い、助け合いながら暮らしている。
不用意な狩りはしないよう心掛けている。
とある人物との約束を果たすため、十九年の時を経て山を下ることになる。
ゼベネラのあらすじ
全ては、群れを守る為に。
白狼族の王ゼベネラは、つがいとなる娘を求めて山を下る。彼の望むつがいこそ、主人公だった。
マツリカ村の掟を破り、彼女を連れ去ろうとするゼベネラ。だがその時、マツリカ村は何者かの襲撃を受けてしまう。狼たちと共にマツリカ村を守ったゼベネラに、主人公は見返りとして嫁ぐ事を選ばざるを得なくなるが――
その先で待ち受けていた命運は慶福か、それとも
禍か。
孤独と哀惜のさなかで、静かに愛を育む二人の婚姻譚。