オトメイト『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-』
- シアン・ブロフィワーズ
- 「……そうか。
で、一人で酒を何本空けた?」
- リュカ・プルースト
- 「12本ですね」
- シアン・ブロフィワーズ
- 「……アルコールを
短時間で過剰に摂取すると
分解能力が追いつかず痛い目を見るぞ」
- シアン・ブロフィワーズ
- 「具体的な例を挙げれば。
――そうだな、頭が爆発四散して
悲惨なことになる」
- リュカ・プルースト
- 「……もしや顔に出ないだけで、
既に相当酔われています……?」
- リュカ・プルースト
- 「まだグラス一杯のお酒すら
飲まれていなかったはずですが」
- シアン・ブロフィワーズ
- 「――は。何を馬鹿なことを。
俺は酔ってなどいない」
- シアン・ブロフィワーズ
- 「見ろ。この程度の安酒なら、
浴びるように飲める」
- リュカ・プルースト
- 「比喩ではなく
本当に頭から浴びていますねえ。
これは後ほどお掃除が大変そうです」
- シアン・ブロフィワーズ
- 「誰が胃袋年相応脆弱ジジイだ」
- リュカ・プルースト
- 「ふふ、一言も言っていません」
- イヴ
- 「あっははははは……!
シアンさん、お酒に弱いんですねぇ~」
- イヴ
- 「意外ですけど、
完璧より何か隙があったほうが
親しみやすくていいと思いますよーーー?」
- イヴ
- 「ねえ、セレスーーーー?
……あれ、いつの間にか背、縮んだ?
それになんだか肌の色も変わって……」
- セレス
- 「え、ええと……」
- アドルフ
- 「……イヴ。
お前が話しかけてんのは、空になった酒瓶だ」
- イヴ
- 「あれ? あぁ……ごめんごめん、
こっちだった……」
- マティス・クロード
- 「あ、あの……イヴさん。
僕、マティスです……」
- シアン・ブロフィワーズ
- 「もう一本開けるぞ。
俺はまだまだ飲める」
- イヴ
- 「あははははは、
俺もお代わり注ごーーー!!」
- マティス・クロード
- 「零れてます!
飲む前に全部零れてます……!」
- …………。
- セレス
- 「…………」
- セレス
- 「……お酒の力って……怖いのね……」
- その一言に尽きる。
- マティス・クロード
- 「でも、ちょっと楽しそうです。
いいなぁ……僕もあと1年早く
生まれてたらなぁ……」
- マティス・クロード
- 「ただ……。
イヴさんとシアンさんのイメージが
一気に崩れてしまったのが……」
- リュカ・プルースト
- 「――ふふ。
新たな側面を知ることもまた、
親睦を深めるということですよ」
- 一人酒を飲みすぎず飲まれず、
頭を押さえて呻くアドルフは――。
- アドルフ
- 「……お前ら二人は、
こんな大人になってくれるなよ?」