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◆ハツバイビ編

「むふふ、いよいよ今日ぽよね!」

「今日って、なにがだ?」

「決まっていよう。私とアマデウスが出逢う
 運命の日だ!」

「うお、いたのかよアストラム。
 って、アンタとアイツが……?
 全然イミわかんねー」

「またまたー。ヒロヤだって本当は
 わかってるでしょ?
 発売日だよ、発売日」

「ハツバイビ……
 彼女と会えるの、たのしみだな」

「オマエらまで……発売日ってなんの?
 それにアイツならさっきあっちに……ムグッ」

「余計なことは言わなくていいぽよ!」

「相変わらず騒々しいな。
 それに、そこで彼女と会ったが……ムグッ」

「ラディウスも黙るぽよ!」

「これだから空気が読めない者は困る」

「へえ、空気って、読むことができるんだ」

「いや、それはだな……」

「あーあ、せっかく発売日を祝うために
 みんなで集まったのに」

「だから、なんの発売日なんだよ!」

「貴様には聞こえないのか?
 ワールドVを訪れようとしている
 アマデウスたちの声が」

「彼女たち、だと……?」

「ポヨポヨは、キミと会えるこの日を
 ずーっと楽しみに待ってたぽよ!」

「ポヨポヨとキミのワックワクの冒険が
 ついに始まるぽよーっ!!」

「ちょっと、抜け駆けしないでよ。
 ボクだって楽しみにしてたんだから」

「キミが来たら、ボクがワールドVを案内して
 あげる。楽しみにしてて。……ね?」

「フッ、彼女が最初に訪れるのは我が陣営、
 栄華の宮殿と決まっている」

「私が側にいるかぎり、なんの心配もいらぬ。
 安心して我がもとへ来るがいい、アマデウス」

「おれは、みんなみたいにうまく言えないけど、
 きみと会えるのが……そう、すごくうれしいな」

「ほら、ヒロヤもなんか言いなよ。
 彼女にいつも言ってる感じでさ」

「い、いつもってなんだよ。
 ……でも、まぁ、状況は大体わかった」

「オマエが来るの、待ってるからさ。
 ふたりで志貴さん捜そうぜ」

「そんで、リアルに帰るんだ。一緒に」

「…………」

「ムッツリは何も言わなくていいぽよ?」

「! 俺はムッツリじゃない!」

「またまたー。ホントは言いたいことが
 あるんじゃないぽよ?」

「別に言うことはない。
 ……来たければ勝手に来るがいい」

「俺の邪魔さえしなければ、
 守ってやってもいい」

「あ、ほらほら!
 そろそろおしまいだから、みんなで
 いくよー」

「せーの!」

「…………チッ」

END