そうして私と尾崎さん、鴻上さんで
バスの停留所に向かって歩いていた時だった。
- 鷺澤累
- 「おい!? 何だお前達は!?」
路地の奥から、誰かの叫びが聞こえた。
- 尾崎隼人
- 「聞いたか!?」
- 鴻上滉
- 「この奥だ! 行こう!」
- 鷺澤累
- 「うぁぁぁ!? ……っく……───」
- 尾崎隼人
- 「大丈夫ですか!? な……!?」
- 久世ツグミ
- 「きゃぁぁ!?」
炎と、倒れ伏した人影に私の心臓に激痛が走り抜けた。
背中に冷や汗が浮かび、足が震える。
- 鴻上滉
- 「隼人! 俺は逃げた方を追う!」
- 尾崎隼人
- 「ああ任せたぞ!」
- 尾崎隼人
-
「見たところ外傷はないな。
でももし頭部を強く打ってたら危険だ、動かすなよ」
- 久世ツグミ
- 「は、はい……」
膝をつくと、本から立ち上る嫌な熱気が肌を刺した。
これは───本物の───炎だ。
- 鷺澤累
- 「……ぅ……」
- 尾崎隼人
- 「お!? 意識が……」