- 尾崎隼人
- 「あ、夜分遅く申し訳ありません」
- 鴻上滉
- 「……どうも」
見覚えのない制服だった。
警察とは違うけれど、腰には何か杖のようなものを下げている。
私よりは少し年上に見えるけれど、
まだ学生と言っても通りそうな面差しだ。
- 鴬地啓三郎
-
「あ、あの? 貴方がたは一体……?
警察の方ではないそうですが……?」
- 尾崎隼人
-
「ああ、申し遅れました。俺は尾崎隼人と言います。
帝国図書情報資産管理局の者です」
- 鴻上滉
- 「……同じく、鴻上滉と言います」
- 久世ツグミ
-
「て、帝国……図書……?
あ、あの……失礼ですが、それはどういったお仕事なのでしょう?
ヒタキのことと何の関係が……?」
- 尾崎隼人
- 「ツグミさんですね」
- 久世ツグミ
- 「!?」
いきなり名前を呼ばれて、
私は反射的に後ずさってしまった。
事態が事態とは言え、歳の近い男性に面と向かって名前を呼ばれたのは初めてで、羞恥が湧き上がる。