(私は……警察官としてどう行動するかより、首輪を外したいと思ってた)
彼らに協力すれば、首輪を外せる可能性は高い。
誰にも話せない状況だから、彼らにすがりたい。
警察官としてではなく、私は……個人としての考えを優先していた。
笹塚 尊
「……沈黙が答えってわけか。お前、それでも警察官かよ」星野市香
「…………」
吐き捨てるように言われても、返す言葉がない。
(今の私は……)
言葉にならない想いが胸を押しつぶし、自分が情けなくなった。
笹塚 尊
「首輪を外す事に協力してほしいなら、お前も本気で事件を追え」笹塚 尊
「それが、お前に協力してやる条件だ。首輪を外してほしいなら、俺に従え」ぐっとマフラーを持つ手に力を入れられ、息苦しさに身じろぎする。