柳 愛時
「俺達は、お前を探していたんだ」(私を……?)
柳 愛時
「お前の状況は把握してる。心細かっただろうが、もう大丈夫だ」
力強いその言葉に、言いようのなかった不安が薄れていく。
けど……それと同時に疑問も湧いた。
(私を探してたとか、状況を把握してるとか……)
(私が事件に巻き込まれた事を、この人は知ってたって事……?)
そう思うと、救世主に見えた彼が怖い存在に思えてきた。
柳 愛時
「……俺が、怖いか?」星野市香
「!」
私の表情を読んだのだろうか。
男の人は私を見つめ、そして――
柳 愛時
「これじゃまるで……あの時と同じだ」どこか悲しそうに呟く彼から、私は目が離せなかった。