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Scenario
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次の瞬間、私は鴉翅くんの腕によって近くの壁へと押し付けられていた。
口元は笑っているのに、烈しさを秘めた双眸に、身じろぎひとつ出来なくなってしまう。
- 鴉翅
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「紅百合ちゃんの――――嘘つき。
……本当はそんなに前向きじゃないよね?
廊下に出ただけで足を震わせちゃって……、
今だってここから逃げたくて仕方ないくせに。
いい子ぶって、きれいごと並べて……。
……そーゆーのイライラする。」
- 紅百合
- 「か……鴉翅くん……やめっ……。」
- 鴉翅
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「なんでも逃げずに向き合うんでしょ?
だったら、無理やりこういうコトされても立ち直れるよね?
キミは強いんじゃないの?」
- 両手を押さえられ身を固くする私に、苛立ちに満ちた鴉翅くんの顔が近づいてくる。