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Scenario
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次の瞬間、衝撃に身を貫かれたのは私ではなかった。
地響きしそうな絶叫と共に、化け物がのたうち回りながら空間に『融け』出す。
それは今しがたまではっきりと実体を持っていたのに、輪郭を黒い陽炎のように揺らめかせ――。
やがて。
その巨躯は、黒く透ける翅を持つ蝶の群れへと変わり、階段上に佇む人物の首飾りに吸い込まれていった。
- 紅百合
- (あの人は……)
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数メートル先で、こちらへと銃口を向け続ける男性。
キツネのお面に覆われているせいで、表情を読み取ることは出来ない。
- 紅百合
- 「助けてくれたの……? それとも……?」