- ブルローネの少女
- 「……ねえ、見て!あそこ!」
- リリアーナ
- 「?」
- 釣られたように、私は通りにあるバールに目を向ける。
- そこだけ光が当たっているみたいに、自然と視線が吸い寄せられてしまう。
- リリアーナ
- (シニョーレ・ファルツォーネと一緒に礼拝に来ているのを、
何度か見かけたことがある。)
- リリアーナ
- (名前は……知らないけど。きっと、ファルツォーネの人なのよね。)
- リリアーナ
- (え?あの人、私を見て……?)
- ぱちん、と悪戯っぽいウィンクをこちらに向けて送ってきた。
- リリアーナ
- (も……)
- リリアーナ
- (も、ものすごく、慣れた感じ……!)