尾張織田家に囁かれる「魔蒼」の噂と「黒狐」
『魔蒼』として民から妬ましさと恐怖の感情を向けられている織田家。しかし織田家には民や家臣も知らない秘密がある。
それは、神に仕えし上級の朧・
黒狐は『世に泰平を導く吉兆の朧』と言われ、
力や存在によって階級の分かれた朧の世界でも上位に位置する存在。
その見た目は漆黒の毛並みと碧く光る瞳を持った二尾の美狐。
黒狐と織田家初代が結ばれて約三三〇年が経った現在では
黒狐の血は薄まり、朧の力は失われ、見た目だけに黒狐の特徴が残されている。
市や信長の瞳が碧く髪が漆黒なのは、黒狐の血を受け継いでいる証。
朧にまつわる用語
朧力 - 朧だけがもつ潜在的な力のこと。朧の階級によって力の強さが左右する。
朧術 -
朧力を用いた朧が使う奇怪な術のこと。
炎を出したり、疾風をおこしたりと 術の種類は様々。
朧染 め-
朧に取り憑かれ操られている者や朧とそうでない者が同化した状態を指す。
朧染めになったものには、朧の証である刻印が取り憑いた朧と同じ場所に現われるという。
- 朧の階級
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朧には『神』『上級』『中級』『下級』の四つの階級がある。
上級の朧は『神に使役されしもの』と『ただ朧力が大きいもの』の二種類が存在する。
中級や下級の朧は力も弱く、何か一定の縛りが存在するものもいる。
黒狐の瞳
市が突如目覚める『未来を見ることの出来る力』のこと。力が発動している時は、瞳が碧く光る。
ただし、この瞳で見える未来は誰かが泣いている未来・物が壊れる未来・大切な人が死ぬ未来などの
悲しい未来がほとんどで、市にはこの力を制御する事はできない。
後代返し
黒と玉が市のために発動させる朧術のこと。発動すると『可能性の世界』と呼ばれる白黒に染まった世界へ引き込まれ、
現実で簡単には変えることが出来ない『絶対的な運命』を変えることができる。
ただし、この力を使うには『代償』として市自身が『大切なもの』を黒と玉に支払わなければならず、
その代償は変えた未来の大きさで変動するため、黒と玉には決めることはできない。
また、可能性の世界から戻る際には耐え難いほどの激痛が市の身体を襲う。