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同じテンポで何度も何度も撫でられていると、まるで寝かしつけられているかのような気分になってくる。
気付けば瞼も、うとうとと落ちてきて――。
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廻螺[エラ]=アマルリック
「あれ? もしかして寝てる?」
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すると廻螺くんが、くすくすと笑いながら聞いてくる。
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玻ヰ璃[ハイリ]=ラリック
「……寝てないよ。 ちょっと目を閉じてるだけ……」
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そうは言いつつも、本格的に眠くなってきているのは自分が一番わかっていた。
そのまま舟をこぎながらふわふわとしていると、廻螺くんの声が耳元から聞こえてくる。
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廻螺[エラ]=アマルリック
「ふふ、寝ててもいいよ。 君が寝たら僕が店番しててあげるから」
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玻ヰ璃[ハイリ]=ラリック
「えー……悪いよ……」
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廻螺[エラ]=アマルリック
「いいんだ、僕達友達でしょ? ……だから僕に頼って、可愛い僕の友達」
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そこで薄っすらと目を開くと、廻螺くんがこめかみにそっとキスを落とすところが見えた。
その光景に胸が高鳴りつつも、私は眠気に勝てずにまた瞼を閉じてしまった――。