-
廻螺[エラ]=アマルリック
「えっと……、もしかしてこの子は君のお友達?」
-
最初にそう問いかけてきたのは、柔らかい雰囲気の青年だ。
びしょ濡れになりながらも笑顔のまま、カンちゃんをしっかりと受け止めてくれている。
その様子から、隠しきれない人の好さが滲み出ていた。
-
玻ヰ璃[ハイリ]=ラリック
「そうです。ご迷惑をおかけしてすみません」
-
玻ヰ璃[ハイリ]=ラリック
(正確には私のペットじゃないけど……)
-
咄嗟に本来の飼い主である歌紫歌の姿を探すけど、見つからない。
まだ追いついてきていないようだ。
-
廻螺[エラ]=アマルリック
「そう。なら、これからは目を離さないであげてね。この子、一人で遊びまわってたから」
-
そう言って優しそうな青年は、カンちゃんを私へ受け渡してくれる。
-
玻ヰ璃[ハイリ]=ラリック
「ありがとうございます」