-
-
趣味、とな
-
-
シロは服集め。
ボクは服選び。主にシロの。
そういえば、姐さんと金華ちゃんの知らない
-
-
妾かえ? 妾はお喋りじゃな。
良い茶を淹れ、楽しく語り合うのがよいのう
-
-
わかるにゃ~! 美味しいお菓子に、楽しい会話っていいにゃ。
うちは、狐々と同じ。服を見るのが好きだにゃ~
-
-
シロがなんでも似合うから、選ぶの楽しいんだ。
金華ちゃんもいつも可愛いよね
-
-
褒めても何もでにゃいよ~?
でも、玉藻姐の着物も素敵にゃ
-
-
そうかえ? ならば、金華にも一着誂えようかの
-
-
ほんとにゃ!? 嬉しいにゃ~!!
-
-
和服じゃと? わしも新調しようかのぉ
-
-
シロ、着ないじゃん……
-
-
そうじゃのぉ。ビラビラしているのは邪魔くさいからのぉ
-
-
束帯でひっくり返ったのを誤魔化しているだけであろ
-
-
あれは!
無駄に引きずって歩かなきゃいけないからで、俺だってあんなの着たくないけど爺さまがっ!!
-
-
シロ……口調
-
-
っ!!
-
-
シロは阿呆よの。何が面白うて、じじ言葉何ぞ使いたがるのか
-
-
おぬしに解らんでも良いのじゃ。
わしが解っておればの
-
-
ボクも知ってる
-
-
妾とて、知らぬわけではないが、飽きもせずようやるのう
-
-
なになに~?
なんかいわくつきなの?
-
-
いわくなんぞありはせん。
ただの遊びじゃ遊び
-
-
……素直じゃないよね、シロ
-
-
その口を閉じろ、狐々!
-
-
シロはキクツネの統だというに、威厳がないからのぉ。
舐められておるわ
-
-
姐さん、それは違うよ。
ボクはシロのこと大好きだよ。
威張らないし、ちゃんと周りを見てくれるし、
なにより、居心地がいいって評判だよ?
ここ(キクツネ)
-
-
狐々はシロ贔屓よの
-
-
うちは玉藻姐贔屓だにゃ!
-
-
金華は可愛いのう
-
-
玉藻姐のお店大好きにゃ。
三人でがぁるずとぉく? するのも大好きなんだよ~
-
-
がぁるずとぉく? とはなんじゃ、狐々
-
-
たしか、女の子同士でお話すること、だって、彼女が教えてくれた
-
-
西洋ではてぃたいむというものがあるそうでな、妾の店で何度かそのがぁるずとぉくを行った
-
-
がぁるずとぉくには男は混ざれんのじゃろうか
-
-
駄目でしょ。女の子だけなんだから
-
-
そうじゃ! 変化がある!
-
-
気づかれて彼女に嫌われても知らないよ?
-
-
ぐぬぬ……下手に茶器にでもなろうものならあの馬鹿狸と同じになってしまうしのぉ
-
-
茶釜の……ねぇ、シロはどうしても参加したいの?
-
-
気になるじゃろう。
女子(おなご)がどんな話をしておるのか
-
-
気にならないよ。
それに、この前三人が話しているときに居合わせたけど、使ってるとりぃとめんと? の話とか、ねいる、とかいう爪紅(つまべに)の話もしていたよ。それに混ざりたいの?
-
-
無理じゃな……
-
-
諦めろ。妾と金華、それにあの娘との大事な時間よ。
易々と邪魔出来ると思うておったらその尻尾丸刈りにしてくれるわ
-
-
やめろ! やめるのじゃ!
おぬしが言うは冗談じゃなかろうて!
-
-
……シロは全然懲りないよね。
姐さんに勝てるはずないのに
-
-
ね~。シロは統だけど
姐さんはそれよりもっと昔からここでお店やってるのにね~
-
-
関係ないじゃろ!
統はもっと敬うべき役職じゃないのか!
-
-
子狐がほざいておるわ。
統とて、妾に命令なんぞ出来ると努々思うなかれ
-
-
……解っておるわ……
狐々はわしの肩を持つと思っておったに……
-
-
あーあ。いじけちゃったにゃ~
-
-
シロ、ごめん。シロは一番の統だよ。
ボクは大好きだから、許して、ね?
-
-
……しらぬ……
-
-
シロの好きな洋服、今度いっぱい買いに行こう。
八雲が良いところ知ってるって!
-
-
………………行ってもよいぞ
-
-
うん、行こう。ボクも楽しみ
-
-
シロは単純じゃのう
-
-
玉藻姐、しーっ!! しーっにゃ!