第三回「花婿候補の魅力1」
VARIABLE BARRICADEを楽しみにしてくださっている皆様、こんにちは。ディレクターのいわたです。発売まで一か月を切りまして、忙しさに追われながらもなんだかそわそわしてくる今日この頃。どうすればもっとバリバリに興味を持っていただけるだろうか、と頭の中はそればかりです。
さて、第三回目はおそらく皆様が一番気になっているであろう「花婿候補の魅力」についてお話していこうと思います。
何せ本作のキャッチコピーは「――絶対落ちてやるものか」。
誰がどう見ても結婚したいと思えない残念スペックの持ち主が攻略対象ということで、情報を公開してからというもの「攻略キャラを攻略したいと思えない」との声が続出しておりました(笑)
そらそうっすよね。ですが、考えてみてください。
これ以上ないくらいのマイナス評価が出発点なら、あとは上がる一方です!(多分)
よく知っていけばいいところも見つかるはずです!(おそらく)
気づけば「あれっ?もしかしてこの人ちょっといいかも……?」なんて思っちゃうかもしれません!(願望)
「――絶対落ちてやるものか」
……まあそう言わずに、ちょっとだけ彼らのことも見てあげてください。
4人それぞれ違った魅力の持ち主であることは間違いないので、よかったら今回も少しお付き合いくださいね!
今回は「光森壱哉」「石動大我」について語ります。
光森壱哉の魅力
壱哉のキャッチコピーは「愛情過多のスーパーダーリン」。常に愛情たっぷりに甘々な口説き文句を連発し、溺愛といっていいほど尽くしてくれる、いつなんどきも女性優先でひたすらやさしい。
まさしく理想の恋人になり得るタイプの男性です。
しかしこれまで出してきた情報やプレイ動画を見る限り、
「スーパーダーリン(自称)」「スーパーダーリン(笑)」「スーパーダーリン(とは?)」
としか言えないようないじられ方をされていますし、実際そういうキャラだと私も思います!
口説き文句やアプローチの仕方がどこかテンプレ的で、プレイ動画でもヒロインは(まったく心に響かない)と身も蓋もない感想を抱いています。
それも当然、どんなにイケメンが甘い言葉を囁いてきたとしても、自分が欲しい言葉でなければ寒いだけ。
彼の口説き文句は最初の時点で「女の子に向けた言葉」であっても「ヒロインに向けた言葉」ではないのです。
……なので、最終的にはこんなふうに言われてしまったりするわけです。
痛い、壱哉くんこれは痛い! 図星すぎて何も言えないやつです。
このシーンを含め、実際に壱哉のイベントをクリアしていくと、特に序盤はいいところが何もないんじゃなかろうか、というほど壱哉にとっては厳しい展開が続きます。
どれくらいかというと、テストプレイをしていたスタッフ複数名が、全員のレベル1をクリアした時点で「……うん、壱哉はないかな」と笑顔で言っちゃうくらいです。
それはそれですごい。
彼は26歳と、攻略キャラの中で一番の年上です。
ましてスパダリを自称し、「結婚詐欺(未遂)」というとんでもない煽りがついている以上、恋愛経験についてもお察しです。
けれど、そんな豊富な恋愛経験に基づいたスキルが一切通用しない+むしろそのスキルが嫌われる原因となっているとしたら、それはもう大打撃でしょう。
とはいえ、だからといって壱哉に諦めるという選択肢はありません。ここまでいいとこなしの彼ではありますが、彼の長所は「努力の人」であることなのです。
彼女に嫌がられ、怒られ、つれなくされて凹む度に「どうすれば俺を好きになってもらえるか」と必死に考え、そのための努力も怠らず、欠点の改善に努めます。
そんな彼の姿は周りも認めていて……
ライバルであるはずの大我も、思わずフォローしてしまうレベル。それでも壱哉本人は「どんなに頑張ったところで彼女に認めてもらえなければ意味はない」とあがき続けます。
何故そんなにも必死にヒロインを求めるのか。そもそも彼がスパダリ……もとい都合のいい男になってしまった理由は何なのか。そのあたりに彼を紐解く鍵がありそうですね。
壱哉との恋は、おそらく4人の中で最もハードルが高いです。最初の調子に乗りっぷりが嘘のように、こてんぱんにやられます。
きっと幻滅されるようなシーンも多々あります。もう少し壱哉にやさしい世界にしてあげてよ! と言いたくなるくらいのハードモードです。
どこらへんがメインヒーローなのかと100回くらい問いただしたくなりますが、私的には「だからメインヒーローなんだよ」と言えます。
壱哉にとっての恋愛、人を愛するということ、何故そんなにも求めるのか、唯一の愛を得るために何が必要なのか。
そのすべてに答えが見つけられたとき、彼は初めてスーパーダーリンとしての第一歩を踏み出すのだと思います。
大丈夫。最初は「ないわ」と言ってたスタッフも、「3周くらい回っていっそ可愛く思えてきた」と言い出したくらいです。
気づけばほだされてしまう、壱哉が気になって仕方なくなる、EDまでいくと壱哉以外を攻略することに謎の罪悪感が生まれる……といった現象も起こり得ます。
光森壱哉くん26歳。
どうか、彼を男にしてあげてください!!
石動大我の魅力
大我のキャッチコピーは「俺様ゴーイングマイウェイ」。無駄に偉そうで、癪に障ることばかり言って、いつでも好き勝手に振る舞い、花婿候補のくせにまったくこちらを立てる気がなさそうに見える俺様男。それが大我です。
いわゆる学級委員長気質のヒロインにとっては最悪といっていいほど相性の悪い相手といえるでしょう。
「ちょっと男子!」「あーうるせー」って感じのやつです。実際序盤の二人の会話はそんな雰囲気のが多いですね。
ただ、大我の場合はその後がポイントです。正論で説教するヒロインに対して、ふとした瞬間に「果たしてそうか?」と真顔で追及されたりします。
「おまえの言ってることって本当に絶対正しいといえるか?」――時にはヒロインが思わず言葉に詰まってしまうことも。
プレイ動画でも(やりにくい相手)と感じているように、大我はただの俺様ではないようです。
個性が強すぎる4人の花婿候補たちの中で、大我はリーダーシップを取ることが多いです。何かを始めるとき、大抵中心になって進めていくのが大我です。
最年長の壱哉があんな感じですし、汐音も那由太も大我には一目置いていて、彼の言葉にはわりと素直に従ってくれます。
いわゆるガキ大将タイプというのでしょうか、女の子には敬遠されても、男同士だとやたら評価が高くなる系統のキャラ。
クラスにいたよねそういう男子!と頷きたくなる、そんな人なんです。
だからこそ、彼を知れば知るほど、
「意外とまとも?(ムカつくけど)」「もしかして今助けられた?(失礼だけど)」「私も頼っていいの……?(癪だけど)」
といった気持ちになってきます。
からかわれたり、バカにするような態度をとられると、反射的に「なによ!」と対立したくなってしまう相手ですが、ほんの少し素直に接してみると驚くほど懐の深い人なのだとわかる瞬間が多々あります。それは大我がいわゆる孤児であり、児童養護施設出身ということに起因しています。
いわゆる箱入りのお嬢様であるヒロインに比べ、彼には圧倒的な人間力・経験の豊富さという武器があります。
だからこそ、ヒロインの正論にも冷静に返すことができる。最初からまず勝てない相手なのです。
……ここまでの時点で、さっきまでの壱哉に比べてずいぶんまともに彼の魅力を語っている気がしています。なんとなく、あっ大我素敵かも?と思えてきませんか!
実際大我はある意味この手のキャラの王道といいますか、そら落ちるわ!と納得の展開もありますし、素直になるのが気持ちいい相手でもあります。
男の子らしい粗暴さはありますが、だからこそ安心して頼れるところもありますし。
なんであんなに腹立つことばかり言うんだろう?という点も、物語途中で明かされる彼の秘密を知れば納得できると思います。
恋愛についても含むところは一切なく、常にストレートです。
迷わせるタイプではないので、安心して口説かれることができますし、一度転がり落ちたらどんどん「大我さん大我さん」とくっついていきたくなります。
素直でないことに定評があるヒロインも例外ではなく、中盤の時点で驚くほど懐きます。
理由が理由ではあるのですが、それを差し引いてもやっぱり大我って無条件に懐きたくなるタイプなんですよね……。
とはいえ、そんな彼との恋もそうすんなりいくわけではありません。途中までが順調なだけに、終盤になって現れる問題はわりと痛いです。
頼れる人、私にはないものを持っている人――恋に落ちるには十分なその資質こそが、彼との恋を阻む理由となってしまうのです。
ある意味で、このルートではヒロインの方が試されているのかもしれません。
男の中の男・石動大我23歳。
追いかけたいその背中に全力でダイブしてあげてください!
大我はともかく壱哉はどうなんだ、と思わなくもないのですが(笑)、彼を語るのほんと難しいんです!
とりあえずやってみてくださいとしか言いようがないこのもどかしさ! まあそれは全員に言えることではあるのですが……。
バリバリの攻略キャラは本当にクセが強いので、事前情報をどれだけ入れていても、実際プレイしてみたときの意外性はなかなか伝えにくいのです。
次回は汐音と那由太について語ります。
こちらもまた両極端な二人です。どこまで書いたものかと悩みどころではありますが、よかったら楽しみにしていていただけると嬉しいです!
それでは、今回はこの辺で。皆様、そろそろご予約の方もよろしくお願いいたしますね!(宣伝)