ストーリー

15年で終幕せずに25の年を重ねた大正時代。

傾きかけた家を守るため、少女は名も知らぬ男との結婚を決意した。
だがその矢先、弟が古い本を手にしたまま謎の焼身自殺を図る。

混乱する少女の前に現れたのは【帝国図書情報資産管理局】通称【フクロウ】
彼等によれば【稀モノ】という、読んだ者に大きな影響を及ぼす本が存在するらしい。
更に少女はその弟の事件が切っ掛けで【アウラ】が視えるようになってしまう。
まるで運命が───彼女をその炎に引きずり込もうとするかのように。

そうして少女は戸惑いながらも鳥籠の外に出ることを選ぶのだった。


嫉妬、憎悪、侮蔑、憐憫───そして
少女を待ち受けていたのは、幾つもの裏切りが妖しくちりばめられた帝都の闇。

その中で翻弄され、揺らぎうつろう彼女が辿り着くのは真実か、それとも───。

世界観

大正25年。
大震災から著しい復興を遂げ、和と洋が混ざった独特な文化で発展し続けている帝都トウキョウ。
近代化が進み、印刷された本が増え始める中で、不可解な事件が立て続けに起こる。

【手書きの和綴じ本を読んだ者が自殺をする】

はるか昔から“言葉には霊力が宿り、文字には魂が宿る”とされ、
読んだ者に影響を与える本の存在は確認されていた。
だが殆どのものは恐怖の対象となり、焼却されるなどして残っているものは少ない。
近年の研究の結果、それは書いた者の“情念や記憶”が残ったものとされ、
保護や研究が進められるようになった。

【稀モノ】の影響には大きな個人差がある。
特に感受性が強い者や書いた者の血縁者、関わりの深い者は
まるで自分に起きたことのように同調してしまうことがあり、
それを切っ掛けとした事件が相次いで発生することとなった。
政府は帝都内に自筆の和綴じ本の取り扱い注意令を出すなどして、対策を講じている。

用語集

【稀モノ】
書いた者の情念や記憶などが宿った本。
その内容により、読んだ者に大きな影響を及ぼすことがある。
自筆の和綴じ本であることが条件らしい。
【アウラ】
稀モノに宿った情念の輝きと言われており、様々な色がある。
通常の人間の目には映らないが、
主人公は弟の事件が原因で視えるようになってしまう。
【フクロウ】
正式名称は『帝国図書情報資産管理局』
稀モノの収集・保護を目的とする特殊国家機関。
本来は国立図書館の一つの部署に過ぎなかったが、
稀モノの事件が相次いだことにより正式な専門機関として発足した。
【カラス】
稀モノや盗難品などの闇オークションを開催していると噂される裏組織。
彼等が扱う稀モノは深い陶酔感が得られると評判だが、
その一方で本が原因と思われる死亡事故なども起きている。
フクロウ側としてはその危険性から摘発を試みてはいるが、
狡猾かつ残忍なやり口で幾度も証拠を隠滅され、証拠に辿り着けずにいる。
【カグツチ】
和綴じ本を見つけ次第焼却してしまう謎の集団。
目撃者によるとメンバーは全員学生前後の年齢と思われるが、実態は不明。