『ピオフィオーレの晩鐘 -ricordo-』の新規シナリオの収録を終えられて、改めて感じられたギルバートの魅力を教えてください。
ギルの魅力は、余計な欲がないところでしょうか。
守るべきものと、自分がするべきことっていう、すごくシンプルなものを大事にしています。
そこに対する想いは熱いですし、優しさや穏やかさ、温かさも感じます。
例えば何かに焦っていたり、ああしなきゃ、こうしなきゃという思いが強すぎると、余裕がなくてあまり人に対して優しくできないじゃないですか?
そういう意味では、すごく地に足がついた男なのかなという気がします。だからこそ街の人たちにも愛されている。そして、マフィアという、いわゆる裏社会のなかにギルというボスがいて、ダンテや楊もそうですけど、それぞれのファミリーに違うカラーがありつつ、そこが牽制し合いながらも共存しているのがこの世界のおもしろいところだなと改めて思いました。
本作で追加される「BESTエンド後を描いた後日談」「BADエンド後を描いた後日談」の見どころや、印象に残ったシーンなどがあれば教えてください。
BESTエンドの後日談では、ギルが過去の話をしているところが印象的でしたね。
やはり、痛みを背負っていて、そこを乗り越えた男には強さがある。でも、果たしてギルは本当に乗り越えているのかどうか……。
そういうところから、ふだんは見せないような弱い一面をシニョリーナ(お嬢さん)に見せるという、新たなヒロインとの距離感が描かれています。
そしてBADエンドの後日談は、ボタンの掛け違いみたいなことで、残酷なまでにひとつの場所にいられない男女ってリアルでもきっといるだろうなと思いました。
ここに至るまで、わりとギルはマフィアのボスとしても男としても落ち度がなくて、バランスがいいじゃないですか?
でも、転落してしまう。その先がさらに知りたいという気持ちになって頂けたら、BADエンドもまたいいのではないでしょうか。
最後に、発売を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。
僕も改めてこの作品のストーリーやキャラクターたちに触れて、やはりおもしろいなと思いましたし、台本を読むのが純粋に楽しかったです。
僕自身、非常にテンションが上がっている作品なので、ぜひ皆さんにプレイして頂いて、同じ気持ちを共有したいです。
“オトメイトパーティー”や単独イベントもありますし、これからどんどん広がっていく作品だと思います。
僕はもっとギルを演じる時間がほしいので、ぜひ皆さんにはゲームを楽しんで頂いて、そのお声を届けて頂けますとうれしいです。
『ピオフィオーレの晩鐘 -ricordo-』の新規シナリオの収録を終えられて、改めて感じられたキャラクターの魅力を教えてください。
楊は僕にとって思い出深いキャラクターのひとりなんです。
いままで演じた役のなかでも1、2を争うほどBADエンドが多くて、「乙女ゲームでこんな“死にゲー”って存在するんだ」と衝撃でした。しかも、どのエンドも過激なんですよね。
今回の収録でもそういうテイストの場面があったので、演じがいがありました。
その一方で、楊がいままで閉ざしていた心を少しずつ開いてきた、という感覚もありました。
のらりくらりとするのも彼の魅力ですが、徐々に人間らしさを手に入れていく様も新たな魅力につながるのではないかと思います。
本作で追加される「BESTエンド後を描いた後日談」「BADエンド後を描いた後日談」の見どころや、印象に残ったシーンなどがあれば教えてください。
楊のシーンは甘いというより、“やらしい”に近い気がしますね(笑)。
わりと距離感が近めでポジティブなセリフもあるんですが、楊の場合はどうしても危険さがともなうというか。
「ずっとそばにいろ」というのも嘘に聴こえてしまうんです。いつかすぐ捨てられちゃうのではないかと。
でも、部下である双子のランとフェイには甘いんですよね。それは手駒として使えるから、とも読み取れるのですが、ふつうに好きなんじゃないか疑惑もあります(笑)。ただ、楊も言っていたのですが、現在の一味には交渉術に長けた人物がいないんですよね。
そこは僕も思っていたところで、戦闘民族しかいないってどうなの、と。やはり人材の層が薄いことは楊さんも感じていたみたいです(笑)。
そんな風に、いろんなチームの組織図を見てみるのも楽しいと思います。
それと今回、楊が娼婦の人と話すシーンがありまして。そもそも、乙女ゲームの攻略キャラクターが娼婦をご用命するって、なかなかないですよね。案の定、楊は相手を人として見ていない感じの態度なんですが、対する娼婦も楊にけっこうモノを言うんですよ……。
僕は「もうこれ以上言わないほうが」とハラハラしながらシナリオを読んでいましたね。
BADエンドはもちろんですが、こういった楊らしさが出ているシーンも見どころだと思います。
最後に、発売を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。
今回、また『ピオフィオーレの晩鐘』の収録に参加できてうれしかったです。
ゲームも好評をいただいているようで、おかげさまで単独イベントが実現するのもうれしいことですね。
イベント開催の折には、漢字の書き取りテストをやってみたらおもしろいんじゃないかなと思っています。
『ピオフィオーレの晩鐘』には、難しい漢字が多く出てくるんですよね。最終的に「書けるかあ!」ってなりそうですが(笑)。
また今後、アニメ化されるといいなと思っています。『ピオフィオーレの晩鐘』はバトルシーンもあるので、アニメに映えると思うんです。
皆さんの応援で、アニメ化まで押し上げていただけたらうれしいです。これからもよろしくお願いいたします!
『ピオフィオーレの晩鐘 -ricordo-』の新規シナリオの収録を終えられて、改めて感じられたニコラの魅力を教えてください。
ニコラは見た目も頭も良くて、コミュニケーション能力も高く、女性にも優しいという一見完璧な男です。でも内面には、ダンテとは違う意味で、彼に負けないくらい幼稚なものを抱えています。
そして、闇もある。ニコラは裏がありそうでいて、実は生真面目で不器用だというところが魅力かなと思います。
本作で追加される「BESTエンド後を描いた後日談」「BADエンド後を描いた後日談」の見どころや、印象に残ったシーンなどがあれば教えてください。
BESTエンドの後日談は、ヒロインとふたりで街歩きデートをするお話でした。
一般的な物語では「きっとこのあと、ふたりには幸せな未来があるんだろうな」と想像させて終わるところを、今回は演じることができて僕自身もおもしろかったです。まさに追加ならではだと思います。
とくに前作からのファンの方は「見たかった」と思って頂けるところだと思います。
そして、BADエンドの後日談は「そうなるよね」という感じです(笑)。
ふたりのその先の生活が見られますが、まあ……辛いです。
最後に、発売を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。
新しいハードでゲームが出るということは、また手に取って頂く機会が増えるのですごくうれしいです。
そして、こうして移植版が発売できるのは、前作を楽しんでくださった皆様のお陰だと思います。本当にありがとうございます。
『ピオフィオーレの晩鐘 -ricordo-』の追加シナリオには、なんだか未来を予感させるようなところもあります。
そういう意味でも、新しく手に取って頂く方はもちろん、前作を楽しまれた方にも遊んで頂きたい一本となっております。ぜひお楽しみに!
『ピオフィオーレの晩鐘 -ricordo-』の新規シナリオの収録を終えられて、改めて感じられたオルロックの魅力を教えてください。
前回収録をさせて頂いたときは、オルロックの無機質な成分が多かったのですが、新規シナリオでは、人としての色やヒロインとの関係性の変化を出せる部分がありました。
初回の収録は感情を表に出せないところがしんどいなと思いつつ、逆に楽しいところだったので、今回はそこを継承しつつも、彼の柔らかい部分を多めにお見せできればと思いました。
あと、この作品自体が深くて重いというところがあるので、新規シナリオを収録していてもやはり心が苦しくなりました(笑)。
本作で追加される「BESTエンド後を描いた後日談」「BADエンド後を描いた後日談」の見どころや、印象に残ったシーンなどがあれば教えてください。
BESTエンドはもちろんBESTではあるのですが、マフィアの抗争を描いている作品なので「何を持ってしてハッピーなのか、平和なのか?」というところを改めて考えさせられました。なのでBESTエンド後のお話では、片付けておかなければならない問題についても描かれています。
でも、ヒロインとのシーンは甘いところを楽しんで頂きつつ、オルロックも人間臭い感情表現ができるようになったなと感じて頂けるのではないかなと思います。
BESTもBADも含め、ある意味では印象に残ったシーンは全部なのですが、印象に残しておきたくないシーンもありますね(笑)!
とくにオルロックは結構特殊な立ち位置にいますので……まあ、BADはとことんBADだなと。
BADエンドの後日談に関しては、本当に心しておいてください(笑)。
最後に、発売を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。
皆様のお陰で、新規シナリオが収録されたNintendo Switch版が発売されることになりました。
本当にありがとうございます。
前作のインタビューでも「ストーリーが本当にいい」という話をさせて頂きましたが、今作は重厚かつシリアスな部分を継承した進化版になったのではないかなと感じています。すでにオルロックのルートをやって頂けた方は、もしかすると「継承するのはやめて」と思うかもしれません(笑)。
でも、ボリュームが増えて進化しても、オルロックはオルロックです。彼の生き様は変わりません。
もし皆さんに胸が苦しくなると感じて頂けるのなら、僕は役者としてきちんとこの世界に混ざれているのではないかなと思います。プレイする皆さんも作品の世界に没頭して、プラスもマイナスも引っくるめて感じてほしいです。
頭からプレイして頂いてもいいですし、新規シナリオから遊べる安心設計にもなっていますので、そこからスタートするのもいいと思います。
オルロックはもちろん、全キャラクターの新しいお話を楽しんで頂けたら幸いです。
石川界人さん
『ピオフィオーレの晩鐘 -ricordo-』の新規シナリオの収録を終えられて、改めて感じられたダンテの魅力を教えてください。
ダンテを久しぶりに演じてみて、やはりやりやすいキャラクターだなと思いました。
前回収録したボイスを少し聴いて、テストをやらせて頂いたときに「ああ、馴染むなあ」と感じたので、それだけ僕の心にも残っているキャラクターなのかなと思いました。
移植版は無印のときとはシナリオも変わっておらず、追加要素があるということなので、前作をプレイしてくださった方にはまた改めてダンテのことを好きになって頂けると思います。そして、初めてプレイされる方はダンテがいかに責任感が強くて、カポとしての使命に追われているかすごくよくわかると思います。
自分が背負っているものと真面目に向き合っているところが、ダンテの魅力なのかなと感じています。
本作で追加される「BESTエンド後を描いた後日談」「BADエンド後を描いた後日談」の見どころや、印象に残ったシーンなどがあれば教えてください。
以前のインタビューでもお話しさせて頂いたのですが、僕は前作のとき、ダンテ以外のキャラクターのルートで敵役に回るところが楽しかったんですよ。
ほかのキャラクターのエンドや、ダンテのBADエンドが印象的でした。
とくに今回は、そのBADエンドの後日談のなかで、ダンテのモノローグのシーンがすごく心に残っています。
ダンテがどれだけヒロインやニコラのことを想っているのかわかりますし、彼の真面目さゆえに思い悩んでしまうんだなというところにキャラクター性が最も出ていて、おもしろいなと思いました。辛い結末を迎えたときにおかしくなってしまうキャラクターもいるなかで、ダンテは真面目だからこそ狂えない……。
この作品はBADエンドのほうが人間の真に迫っているような気がして、非常に共感してしまうんですけど。
僕は結構“陰の気”が強いので(笑)、個人的にはBADが好きですね。
BESTエンドの後日談のほうは、わりと本編でも甘く幸せな感じで終わったのですが、その流れを汲みつつ、さらに時間が経ったことで、成熟したヒロインとの関係性が見られるかなというふうに思います。
最後に、発売を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。
ダンテ・ファルツォーネを演じました石川界人です。
ここまで読んでくださってありがとうございます。無印の発売からそう時が経たずして、こうして追加シナリオが入った移植版や、オリジナルドラマCDが出るなど、新規展開ができるのは、本当に皆さんの応援のお陰です。
そして、このゲームのシナリオがいかに素晴らしいかということを示していると思います。
いままで応援してくだっている方には、ダンテに限らず全キャラクターの追加シナリオを見て頂きたいなと思いますし、新たにプレイされる方は練り込まれたストーリーを楽しんで頂きたいです。
もし、キャラクターに声がついていなくても、おもしろいシナリオだなと感じて頂けると思います(笑)。
ぜひ、マフィアの世界を体感してください。