LOADING...

※音声の公開は終了しました。

「パラダイムパラドックス、本日発売」
「あれ、今日って……ああ、そうか。司令が急に読んでって紙を渡すから何かと思った」
「あんたに会えるの、楽しみにしてるよ」
「パラダイムパラドックス、本日発売!」
「これでいいのかな? 合ってるか、マサキちゃんに確認したほうがいい?」
「あ、えっと。キミに会えるのを楽しみにしてるね! 待ってるから」
「パラダイムパラドックス、本日発売」
「はい? 俺に愛想なんて求めないでください。性格は変わらないです」
「まあ、会えたら嬉しくない……こともない、です。ちょっと、ほんのちょっとだけですからね!!」
「パラダイムパラドックス、本日発売」
「トキオに司令からって紙を押し付けられたけど、こんな感じでよかったのかな? 急に言わずに前もっていってくれれば原稿を考えたのに」
「もちろん、君と会うのを楽しみにしてるって内容に、ね。ああ。これは一応、本心だから。信じてきて」
「パラダイムパラドックス、本日発売」
「今日をとても楽しみにしていたよ。ようやく……君に会える日がきたんだね」
「ずっと待ち望んでいた『答え』を聞けるんだ……。ふふ、待っているよ」
「パラダイムパラドックス、本日発売」
「こんな感じでいいのか……? まったく、マサキさんの無茶ぶりにも困ったもんだな。だがやらないと後が怖い」
「まあ、そのなんだ……。お前に会えれば嬉しい、と思ってる。焦らずに落ち着いて来い」
「パラダイムパラドックス、本日発売」
「って、んだこれ、突然なんだよ……。ああ、今日は例の日だからか」
「ま、どうなるかわからねぇが、来るっていうなら止めねぇぜ。歓迎してやるよ」
「パラダイムパラドックス、本日発売!」
「えへへ、今日だよね! 僕すっごくすっごくすっーごく楽しみにしてたんだ。本当だよ!?」
「一緒にいっぱい遊ぼう! 会って、たくさんお話しできるのを待ってるね」

伊吹
「もしもし、リョウ? 僕だよ、伊吹。
今って大丈夫? あ、もし傍に誰かいるなら掛けなおすよ?」

冨司 リョウ
「いや、ちょうど休憩で外へ出たところだから問題ない。
連絡してくるってことは、なにか起きたのか?
こっちにくるのは【明日】だったはずだが」

伊吹
「ううん、ちょっと確認したいことがあって。
【明日】なんだけど、そっちに行ったとき、日向と雪波ってあんまり顔とか出さない格好のほうがいい?」

冨司 リョウ
「は? 突然なんだ、今までも何回かこっちには来てただろう。
いまさら別に変えなくていいと思うが」

雪波
「あ! リョウ? 潜入するときって顔を隠したほうがいいんでしょ!?
僕、ついさっき知ってさー」

冨司 リョウ
「雪波? 突然なんなんだ……?」

日向
「おい、いきなり伊吹から端末をひったくるのはよせ!
伊吹もこういうときは雪波に怒れ!」

雪波
「日向こそ話し中に怒鳴らないでよー! 
そういうの、まなーいはん、っていうんでしょ?
さっき見た映画で言ってたもんね」

日向
「妙な知識を拾ってくる前に、ひとの話をきちんと聞け!!」

雪波
「日向のお説教聞くより映画のほうが楽しいし、ためになるよ!」

日向
「ほぉぉぉぉ……そうか。なら映画でも見て腹を膨らますんだな。
ためにならないなら、俺はもうお前には金輪際なにもつくらん」

雪波
「えーーー!! 横暴、非道、残酷!! 悪逆だよ! 
日向の極悪人!!!!」

日向
「しょうもねぇボキャブラリばっか増やしてんじゃねぇよ!!」

伊吹
「おっと。あはは、ごめんねリョウ。理由はわかった?」

冨司 リョウ
「……はぁ。よくわかった。
そのうえで答えるが、精々フードをかぶっておけばいいだろう。
いざとなったら俺が手を回す」

伊吹
「ありがとう、そういってもらえると助かるよ。
じゃあ、【明日】。会うのを楽しみにしてるよ」

高遠 トキオ
「学園までの道がすごく長く感じる……ここの隠し通路、オートウォークつけてくれれば、いい、のにぐぅ……」

栖原 カムイ
「ちょちょ、ちょっと! トキオ君、寄っかかるのはいいけど全体重をかけられるとオレもさすがに踏ん張りが。
助けてアユム君、ミハヤ君!」

間宮 アユム
「ほらトキオ、もう少しで学園エリアだぞ。
階段は自力で上がらないといけないんだから、疲れてるのはわかるけど、目を覚ませ」

栖原 カムイ
「華麗に無視しないで!?
じゃんけんで負けたオレが悪いんだけどさ!
というかオレだって目がチカチカして疲れがやばいよー」

新記 ミハヤ
「まあ、寝たいって気持ちも理解できますけどね。
ようやく、司令からいわれたデータ整理も目途がたちましたし。
……ええ、本当に地獄のような時間でした。
司令からねぎらいが欲しいぐらいですよ」

間宮 アユム
「駄目だよ、新記くん。そんなの司令に求めちゃいけない。
余計な時間が増えるだけだと思う……」

高遠 トキオ
「むにゃ、まだ着かない……? 階段、無理……。
でもあと【2日】しかない」

新記 ミハヤ
「【2日】後に……、終わるかな……ふぁあ」

栖原 カムイ
「あははミハヤ君ってば、つられてあくびして可愛い……ふあぁ、ありゃ」

間宮 アユム
「みんな子供ですか……。
さ、明日明後日頑張れば、終わりになるから頑張ろう」

栖原 カムイ
「今の流れは完全にアユムくんもあくびする流れじゃない? クールだなぁ」

新記 ミハヤ
「栖原さんはもう少し年長者らしいところを見せてください」

高遠 トキオ
「後輩くんは……先輩に辛辣だよね……」

間宮 アユム
「ああ、ほら。そういってるうちにもう、通路の出口だよ。
学園に入ったら僕らはかかわりをもたないようにしないと」

高遠 トキオ
「うぅ……先輩ありがとう。んーじゃあ明日も頑張ろ……、【2日】後の睡眠時間のために」

新記 ミハヤ
「ぶれませんね、あんたは……」

冨司 リョウ
「やれやれ、マサキさんの無茶ぶりにも困ったものだな。
ああいう風に茶化すから新記たちが怒るんだが。
照れ隠しというか、誤魔化し方が下手すぎる……」

冨司 リョウ
「まあ、仕事を割り振ることで、学業と任務で忙しいと、研究所からの要請を突っぱねる口実にしてる、なんてあのひとは素直にいわないだろうな」

冨司 リョウ
「さて。この件が落ち着かないと、あいつらと会うときに疲れから余計なことを漏らしかねない。
こっちとあっち、どちらにも隙を見せるわけにはいかないんだ。約束した日まであと【3日】か」

日向
「ここの所、あいつら何かざわついてやがるな。
伊吹、あっちに行くのは【4日】後で変更はしないんだよな?」

伊吹
「うん、向こうの都合もあるしね。
……なんとなくだけれど、彼らも感じているのかもしれない。
停滞していたものが動き出す、そんな予感を」

雪波
「えー、僕はなーんにも感じないけどなぁ。
それって伊吹特有の能力?」

伊吹
「ふふ、違うよ。あくまで予感、だからね。
何が起こるのか……もしかしたら何も起きないかもしれない。
でも、なんだろう。柄にもない感覚だと思うけれど、とてもわくわくしてるんだ」

雪波
「じゃあさじゃあさ!
もう今日行っちゃおうよー、善は急げっていうんでしょ?
あ、僕今から先に潜入してよっか?」

日向
「やめろ! 余計な騒ぎを起こすのが目に見えてるのに、お前ひとりで行かせるわけねぇだろ」

雪波
「なにさ! 日向はいっつも僕が騒ぎを起こすと思ってる!
日向だってキレちゃうと手がつけられなくなるくせにー!」

日向
「ぐっ。 戦うときだけだからいいだろうが!?
普段から問題起こしまくりのお前と一緒にすんな!!」

伊吹
「ふふ、まあまあ落ち着いて。
日向も雪波も、あと【4日】我慢してね。
僕もとっても楽しみだよ」

栖原 カムイ
「あと【5日】しかないっていうのに、どこ行っちゃったんだろう。ミハヤくんってば、そんなに見られたくないのかな~。
いやオレだって、率先して見られたいってわけじゃないんだけど。……あ! ……ミハヤくーんみつけた~!!」

新記 ミハヤ
「げっ……!! 栖原さん、なんでここに!?
まさかとは思いますけど、俺を連れ戻しにきたんですか。
嫌ですよ、俺は絶ッッッ対に嫌です、あれを整理するなんて」

栖原 カムイ
「だからってオレに丸投げして逃げないでよ!
オレも心を無にして整理してるんだよ?文句があるならマサキちゃんに直にいって」

新記 ミハヤ
「なんでよりによって、あんなデータを残してるんですか?
間違って誰かに見られたら……終わる、俺の人生が」

栖原 カムイ
「だから誰かの目に触れる前に、オレたちで整理しちゃお?
タイムリミットまでに整理できないと研究エリアの色んな所にあの映像、流すって脅されてるし」

新記 ミハヤ
「くっ……。わかりました、わかりましたよ。
心を消して、淡々と処理してやります。あと【5日】で終わらせればいいんでしょう。
期限日には覚えてろ、司令……!」

高遠 トキオ
「ふぁあ、眠い……。
任務が立て込んでて、研究進められなかった分、とりもどそうと思ったんだけど。
だめだ、やっぱりひと眠りしてからにしよ……。すー」

間宮 アユム
「トキオ、いるか? ……って、やっぱり寝てたか。
今日は大事な予定があるっていっておいたのに、忘れてるな。
トキオ、おい、起きろ」

高遠 トキオ
「ん、んぅぅ、なに? おれ今、寝たばっかりなんだけど。
あれ、アユム。なんでここにいるの?
あ、もしかして、例の司令からの?」

間宮 アユム
「そうだよ。
ここのところ奴らの動きが活発化しているから、今までの任務報告を見直してほしいって連絡きてただろ。
なぜか期限付きで」

高遠 トキオ
「うん、確か期限まであと【6日】だよね?
『それまでに絶対終わらせてね』ってすごく、念押ししてたね……。しょうがない、行こう」

間宮 アユム
「覚えててくれて安心したよ。
さすがにあの量は1人じゃ無理だから……。
まあ、あっちの2人より作業内容はマシだと思うし、頑張ろう」