オルテシア大陸には不思議な魔剣の伝説がある。
その剣を手にした者は絶対的な力を手にすると言われ、過去の文献でも国家間の戦争の戦況を一人で変えてしまったという記述が残っている。
しかし、その所有者が強い意志をもって剣を扱わねば、剣に精神を乗っ取られてしまい、最後には発狂して死を迎える、という逸話もある。
過去の歴史において魔剣に憑かれて死んだ、と言われる英雄もひとりではない。
英雄たちは魔剣を帯剣せず、自らの体に同化させていたと言われており、それがまさに憑かれる、という表現に繋がった。
しかし、魔剣の詳細を知るものはおらず、ウワサ話の域を出なかった。
事実、ここ百年の歴史を見ても、魔剣が歴史上に登場することはない。
その伝説の魔剣を西側のとある少女が手に入れてしまったことで、東側がついに動き出すこととなる。