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Cast&Staff comment


沢野井宗介役
高橋伸也

夏空のモノローグ10周年
おめでとうございます!
そしてありがとうございます☆

早いなぁ。本当にあっという間でした。
ずっと変わらず応援してくださったみなさんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
今年の7月29日も、そしてこの先の7月29日もみんなにとってずぅ~~っと特別な日でありますように!!
10年間ありがとう。そしてこれからもよろしくねっ!

また会おう
しょっくぅぅぅぅ~ん!!

ディレクター
一ジョー

10周年!

【夏空のモノローグ】10週年~!!!
ありがとうございます & おめでとうございます!
1年ごとの登場・ご挨拶となり恐縮ですが、本作ディレクターの一ジョーです!

いやーついに、ついに、ついに!!! ですね!
2010年7/29に発売された本作が、
2020年7/29にて10年の時を迎えました!

今年は例年のように皆さまと直接お会いできる、お話ができるという
トークショー形式ではありませんが……
その分、こうして周年の記念サイトが制作されるなど、
様々な施策が取られていますので皆様がまたひと時、この【7/29】を!
【夏空のモノローグ】で満たされた時間を楽しんで頂ければ幸いです!!!

描きおろしイラスト

まずは何はともあれ、新規描きおろしイラストですね!
今年のキャラコメントの行き先であろう、向日葵畑。
沢野井は何を語るんでしょうね?
いつも通りの肩透かしな予感もしつつ――
それとも、彼はまた何か世紀の大発見を……?

彼らにとっても【特別な一日】。
それは爽やかな白と青が占める中、
向日葵の黄色が映えるという【夏】らしさのあるものとなりました。
服装が変わってるのはあれですね。せっかく出かけるならデート仕様に!
とかカガハルが言い出して先生に買わせたんでしょう。先生の財布大ダメージ。

今回の爽やかスタイル、皆さまの推しは誰になりましたでしょうか?
え? 推しはツリー? ……それも(・∀・)イイネ!!

LINEスタンプ

遂に出ます! スタンプ! いやったーーー! 総員爆撃準備ーーー!
【夏空のモノローグ】らしさを全力でぶち込んだスタンプですので、
使いどころが限定されるものも、ちょこちょこありますが……(笑)
ただきっと夏空に慣れ親しんだ皆さまならば、
『今だ! ここで使ってやる!!』という感じで楽しめる内容かと思います。

10周年記念小冊子

夏空のモノローグ、10周年ということで!
記念小冊子の制作が決定となりましたーー!
そしてこちらには下記2点の、特別コンテンツが封入!

・書きおろしシナリオ
メインシナリオライター西村悠による書きおろしSS!
節目の10周年を飾る、ひとつの物語。
どうぞご期待くださいませ……!!

・7月6日のモノローグ
こちらも記念周年ということもあり、蔵出しになりました。
本作の前身作品となる、【携帯小説】であった作品です!
今の本作とは形の違う各キャラの造詣など、
その差異まで楽しんで頂けますと幸いです。
「あれ!? 木野瀬の髪がさらさらだ!?」――とかね。

詳細は後日発表予定となりますので!
皆さまどうぞご期待くださいませ!!

夏空、10年の色々

さて10周年ということですので、僭越ながら
本作【夏空のモノローグ】における
思い出やらなんやらをつらつらと書いていこうかと!
とはいえ、これまでのトークショー・他媒体でも
結構話してしまっている部分もあるかとは思いますが、
その辺は改めてお楽しみくださいますと幸いです……!

まずこの夏空のモノローグという作品ですが――
ディレクター・原画・シナリオ、つまり作品のコアメンバーとなる全員が、
それぞれのセクション部分に全責任をもつというのが、完全に初となる作品でした。
要はめちゃくちゃフレッシュなチームだったんですね。

そんなフレッシュなメンバー、自由に作れる部分も多い代わりに、手探りの連続。
演出方法や、音楽、CGの魅せ方……
どのように構成すれば『どこにでもある世界』を描き、
けれどプレイした人にとっては『特別な作品』とできるか、
そういった点に脳みそが砕け散るまで皆で悩んでいた覚えがあります。

そんな風に、心とついでに脳みそを砕いて作り上げた作品だからこそ、
イラスト・シナリオ・音楽・芝居・演出etc――それらが詰め込まれ、
世に製品として形となった時の感動は忘れがたいものでありました。

商品の展開としては、
中々求められる速度で応えることも難しいこともありましたが、
サントラ、ドラマCD、スマホ移植、果ては単独イベントまで。
多くの時間がかかったものの、ひとつの作品としては
何とも幸せな作品であったと、今も強く感じています。

いやーほんと、細かい思い出を語り始めると、
コメントの文字数がどれだけあっても足りないんですよねー困ったぜ。
それぞれを要約しつつ……!

ゲーム本編での印象的な想い出は、やはり収録ですかね。
色々な所でも語らせて頂いていますが……
収録の最中に現場の全員が涙するということもありました。
あれがきっとこの作品における、底力ってやつなんだろうなあと今でも思います。

サントラが決まった時も嬉しかったですねー!
音楽はジョーが作品を作るとき、毎度無茶苦茶気を遣っている部分でもあり、
それがひとつの音楽集として出せるっていうのは、ホントに嬉しかったです。
登校、授業中、部活、夕暮れ、夜の時間、不安、畏怖、真実、憧憬、恋心――
心情を彩る音楽たち。皆様が一番好きな楽曲はどれですかね?

ドラマCDでは1秒単位でのSE演出で、あーでもないこーでもないと、
長々とリテイクを重ねることもありましたね。タイムカプセルが特にね!
蝉の鳴き声のフェードするタイミングとかね!
そんなの誰か気にするか!? とか思いつつも、色々やりましたね(笑)

スマホ移植が決まった時は、リアルに会社内でジャンプしました。
たぶんジョーが日本で一番喜んだと思う。たぶん。
私のほうが喜んだという猛者がいてもいいわよ?

そしてまあ、やっぱり単独イベントですかね。
あのイベントは支え続けてくれた全ての方や、
関わってくれた全ての人のためにも、開催できたこと自体が本当に幸せでした。
映像収録がなかったため朗読劇などはあの時限りのものでしたが……
聞いていただけた皆さまにとって、心に響いたものになっていれば幸いです。

最後に

ああ……文字数が! 足りない! あっという間すぎる!(笑)
くっ、3000字なら足りるやろーとか言っていた自分め。
でも読み応えのある企画話は西村がやってくれるので、そちらに任せよう。

とはいえ、最後ですのでこの作品にとって最も大切なことを。

この作品が10年という長い時間、
まだ【在る】ことができているのは、支えてくれた皆さまのお陰に他なりません。
今書いているこの周年用のコメントも、皆さまがいたからこそ叶っているものです。

世の中には本作と同じく10年の時が過ぎ、
たくさんの人に愛されている作品が山のようにあります。
ですが、その全てが感謝や作品に向けての想いを語る場を、
平等に与えられることはありません。
そういう意味でも【夏空のモノローグ】はとてもとても幸せな作品です。

木野瀬一輝。加賀陽。沢野井宗介。篠原涼太。浅浪晧。浅浪翔。綿森楓。小川葵。

土岐島に生きる者たち。
【夏空のモノローグ】という作品に生きる者たちは、
この先、夏の空だけでなく、様々な季節の空の下歩み続けるでしょう。
彼らの未来は無限、きっと如何様にも広がりを見せてくれるはずです。
彼らならば大丈夫。
そう思うと……誰しもがちょっと不安になる【明日】が、
早く来て欲しい【明日】に変わって見えるのだから、不思議ですよね。

この作品を通して、
皆さまの中の何かが少しでも変わった。少しでも心が動いた――
そんな風に感じて頂けたのであれば、本当に本当に何よりも嬉しいことです。

この10年間、
【夏空のモノローグ】という作品を愛して頂き、誠にありがとうございました。
これからの【明日】も、きっといい日だ!

メインシナリオライター
西村 悠

『夏空のモノローグ』10周年、おめでとうございます。本作においてメインシナリオライターを務めておりました、西村悠です。長い間、皆様にこの作品を愛していただけたことがなにより嬉しいです。ありがとうございます。

10年、本当にずいぶん昔のように感じます。夏空のモノローグは、僕が初めて企画し、物語を設計、シナリオを執筆した作品で、10年が過ぎた今でも、深い思い入れを持っています。

最初は『どこにでもある、普通の恋愛模様を描きたい』という気持ちから出発しました。『誰もが経験したような、身近な感情や背景の中にある恋愛』を書こうと思ったのです。共感できる感情や郷愁に訴える恋愛物語を用意して、ユーザーの皆様自身の思い出を物語の力に変えて響かせようと考えました。

この作品には、懐かしさを誘う夏の情景がたくさん登場します。陽炎が揺れる坂道や、夏の強い日差しに白く輝くグラウンド。公立高校の校舎、地味な部室棟、人のいないバス停、遠くに見える海や、激しい通り雨、雨が止んだ後の湿気を含んだ空気や、その空気がいかに夕暮れを赤く染めるか。

そういった普通で、どこにでもあるような舞台は、この作品を遊ぶユーザーの皆様に向けて、これは『あなた自身の物語』ですよ、と呼びかけるために用意したものです。

懐かしさと普遍性をもった恋愛物語を作ろうと決めて、舞台のイメージが大まかに決まっていく中で、次にテーマを考えていきました。『誰もが経験したような、身近な感情や背景の中にある恋愛』物語の中で語られるのなら、やはり誰もが一度は考えたことのあるテーマであってほしいと思いました。そして同時に、僕自身が深く心から描けるテーマでなければいけないとも思いました。気持ちを込めて作るには、そうする必要があったのです。

テーマ選びには迷いませんでした。『明日を迎える物語』を描こうと決めて作り始めました。自分の中でずっと追いかけてきたテーマでしたし、いつかこのテーマで恋愛ゲームの物語に正面から挑戦したいと、ずっと思っていました。

例えば、学生の頃、大人になるのはつまらないなと思ってしまったとき。夏休みの最後の日。子供の頃の引っ越し前夜。明日が月曜日で、学校や会社に行くのが憂鬱になるとか。
あるいは、親しい人が病気になってしまって、段々と元気をなくしていくとき、待ってくれと祈るような強い気持ち。

心が弱ってしまったとき、明日を拒絶したくなるという感情には、誰しも覚えがあると思うのです。『明日』とは変化の象徴で、今に留まることを許さない、とても残酷な一面を持っています。その残酷さを誤魔化さずに描きながら、それでも明日を望もうとキャラクターたちが思えたなら、そしてその気持ちに、ユーザーの皆様が共感できたのなら、その時、この作品は『明日を迎える物語』として人の心に届くのではないかと考えたのです。

テーマに沿って、各登場人物たちそれぞれに、明日を迎えることに対して、どのようなためらいがあって、そこにどんな結末があるのかを設定していきました。ユーザーの皆様の感情の推移を予想し、色々な仕掛けをして、そこにさらに展開を積み立てていく。物語設計の段階では、どちらかというと、計算の上で物語を準備していきました。

とはいえ、登場人物たちが実際に何を言って、どんな心の動きを示すのかは、シナリオを書いてみるまで分かりません。書いている僕自身、結末も盛り上がりどころもわかっているはずなのに、彼らに感情移入して、どんな結論を出していくのだろうと息を飲んで見つめていました。ひとりひとりの物語を描いているときは、発見と驚きの連続でした。各キャラクターの物語は、創作していくというより、すでにそこにある感情を見つけていくという作業に近かったように思います。物語には少しずつ、自分の中の経験や憧れが混ざっていきました。それこそ執筆時には、どこからがまだ自分の心の中にある情景で、どこまでが書き出した物語なのかわからなくなるくらい、集中していたと思います。

本当に、シナリオを書けば書くほど、世界観にのめりこめばのめりこむほど、色々なアイデアが湧いてきました。例えば、各キャラを攻略することで変化していく共通ルート。特異点イベントは最初から周回プレイを前提に設計していました。
一方で、綿森の登場シーンにおける周回ごとの変化は、執筆時のひらめきに従って作ったシーンでありました。最初のプレイ時、一人目のキャラをクリアした後、二人目のキャラをクリアした後、と綿森の行動や認識に連続性があるのは、あのシーンだけを連続で先に書き切ったからでもあります。周回しながら読んだときにどんな感覚になるだろうと、若干の不安と、大きな期待を抱きながら執筆していったのを覚えています。

こういった周回プレイを前提とした仕掛けはいくつかあります。前回攻略したキャラが次のプレイの導入で登場する、というのもそのひとつでした。次の物語のスタートに、前回の物語を思い出してもらう、という役割を持たせていたんです。次の物語に深く入り込む前に、前回の物語の終わりと、今回の物語のスタートが繋がっているような感覚を持っていただくことで、周回するゲームプレイの全てがひとつの物語であるかのように感じていただきたかったのです。作品全体で表現している大仕掛けが明かされたとき、その不思議な感覚が納得感に変わっていくのではないかと考えました。

全ての物語を経た上で展開する結末では、周回プレイを前提とした物語の全てを受け止めた上で、それにふさわしい終わり方を用意する必要がありました。
ここは本当に、特別に気持ちを込めて書いたのを覚えています。意図して、この物語のオープニングと同じ話運びで進めています。展開も会話もほとんど同じ。けれど、少しだけ違う。違うということさえ、主人公含め、この作品の全ての登場人物は気づいていません。けれど、この、少しの違いこそが、この物語の結論にはふさわしいと思ったのです。

このシーンでは、長い物語の先で主人公たちが手に入れた『明日を迎えること』の意味が、ずっとこの物語を見守ってくれたユーザーの皆様にだけ届けられます。主人公と皆様の距離を意図して遠くすることで、物語から皆様にバトンを渡したかったのです。ここまでの物語はエンディングで全て消えてしまいます。けれど完全にゼロにはならない。思い出はどこかに残って、登場人物たちの背中を押します。そして同じように、明日を迎える皆様が少しでも明日を楽しみに思えるように、気持ちを込めました。

書き終えたときには、頼りない地図を見ながら歩いてきた道の先で、登場人物たちと一緒に、7月30日を迎えたような心持ちになったものです。
申し上げたように、夏空のモノローグは『明日を迎えること』をテーマにした作品です。遊んでいただく方の背中を、少しだけでも押せればいいと、ひとつひとつ言葉を置いていきました。

けれどこの作品に関わったスタッフの皆さんと、この作品を今日まで愛してくれた皆様に背中を押されたのは、誰よりもまず僕だったのだと思います。

この10年、感謝しかありません。本当に、ありがとうございました。