- 高平
- 「ところでさ、前から思ってたんだけど、
キミの手ってずいぶんちっちゃいね」
- ゆのは
- 「え、そうですか? 普通じゃありません?」
- 高平
- 「そう? ボクから見たら、だいぶちっちゃいよ?」
- ゆのは
- 「そりゃ、男の人の手の大きさには敵いませんって」
- 高平
- 「……そっか。
えへへ……キミに勝っちゃった☆」
- ゆのは
- 「それ、嬉しいですか?」
- 高平
- 「ん~? 嬉しいよ。だってさ」
高平さんは不意に言葉を切ると、手をぎゅっと握ってくる。
痛くはないけど力強い、
そう、まさに絶妙な加減で。
- 高平
- 「ほら、こうやってキミの手をぎゅーって、
思い切り包み込んであげられるからね」
- 高平
- 「これって、キミよりボクの手が大きい特権でしょ?」