- ゆのは
- 「だ、だから……近い、よね……」
- 金太郎
- 「……おまえなにいって……!?
話逸らそうったって……」
だって、とっさのこととはいえ、
今のこの体勢は……。
金ちゃんに、押し倒されでもして、
抱き締められて……いるかのような。
- 金太郎
- 「……う、あ……?」
金ちゃんもやっと気づいたみたいで、
一瞬で顔が真っ赤に染まった。
- 金太郎
- 「あああっ!?」
- ゆのは
- 「ああああのっ、もう大丈夫だから!
は、離れてっ……」
- 金太郎
- 「お、おまえが
離れればいいだろっ!?」
- ゆのは
- 「き、金ちゃんがどいてくれないと
動けないでしょ!」
- 金太郎
- 「あ、ああ、そうか、
わりぃ、ちょっと待て、今すぐ――」
- ゆのは
- 「……金ちゃん?」
- 金太郎
- (う、わ。なんだこいつ超いい匂い。
つーか、ほんとだ、こいつとおれ、同じシャンプー……)
2人して変な体勢だったせいか、
慌てた金ちゃんがバランスを崩し、
そのせいで、ますます
お互いの距離が近くなり……。