オトメイト『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-』
- 短剣を握る掌に力を込めて震えを止める。
- そして、一粒の涙を零したのを合図に。
- 私は守るための短剣を、
自らを殺すために喉へと突き刺し――
- ???
- 「――ほう……?」
- ???
- 「死神の少女が死の花園にて、
その命を散らす……か」
- ???
- 「実に惹かれる光景だが――
些かそれは性急だ」
- 殺す、前に。
- ???
- 「――仮にも、自らを【神】だと名乗るなら」
- ???
- 「高位の存在らしく……もっと図太く傲慢に」
- ???
- 「人間たちを陥れ嘲笑いながら
生きても……許されると思うけれどね」
- セレス
- 「……っ!?」
- その手本だといわんばかりに
ニィ、と弧を描いた赤の瞳。
- 彼が突如差し出した細い手が――。
- 喉に突き刺すはずだった
短剣の刃を素手で掴み、
大量の血を流しながら止めていた。