楠見先生が来た途端、
楡居君はあからさまに嫌な顔をする。
- 楡居凪
- 「席、他にも空いている所があると思いますけど」
- 楠見清孝
- 「気に入らないって顔だな。何かやったか?」
- 楡居凪
- 「オレにはやってませんけどね」
- 橘川冴子
- 「あ、あの、食べませんか? 冷めちゃいますよ。
私もさっさと食べたいなーなんて……」
- 楠見清孝
- 「意味深な言い方だな。同じA定食同士、
仲良くしたっていいじゃないか。
それにお前の担任でもあるんだぞ?」
- 楡居凪
- 「ふん、もう少し教師としての自覚、
持った方がいいんじゃないですかね」
- 橘川冴子
- (何で急にもめてるの……?
楡居君、今まで普通に楠見先生と話していたのに)
- 楠見清孝
- 「自覚といわれると自信ないなぁ……
最近クジを諦めて真面目に
やる気を出した所だからな」
- 橘川冴子
- 「止めたんですか……?」
- 楠見清孝
- 「全然当たらないだろ?
それに今まで相当つぎ込んでしまったからなぁ……
ぼちぼち潮時だと思ってな」
- 楡居凪
- 「……ごちそーさん! お先!」