オトメイト『スペードの国のアリス ~Wonderful Black World~』公式サイト
- エース
-
「俺達、いい友達だったんだぜ?
この国でもまた、仲良くしてくれよ。今以上に、さ。
また一緒に旅へ出よう」
- アリス=リデル
- 「……検討しておくわ」
- アリス=リデル
- (これで厭味に聞こえないんだから……)
- こんなことを言っていても、エースの爽やかさが失われることはない。
- 褒めているのか、いないのか。
まともに聞けばあまり褒めてもいないのだが、厭味にも聞こえないから反応に困る。
- アリス=リデル
- (にこやかで、爽やかで、一見誠実そうで……
やっぱり私とはまるきり合いそうにない)
- アリス=リデル
- (……それでも、かつての私はこんなやりとりも
悪くない、なんて思っていたのかしら)
- 今の私は、まだそう思えるほどに彼のことを知らない。
- ???
-
「なんだ。いつもの騒ぎかと思ったが、今回は嬢ちゃんも一緒なのか」
- アリス=リデル
- 「!」
- 新たな声に思考を遮られる。
- ハンニバル=ゴールド
-
「ったく。おまえが好き放題なのはいつものことだが、嬢ちゃんまで巻き込むんじゃねえぞ、エース」
- 聞こえてきた声に後ろを振り向くと、御付きを伴なったハンニバルが歩いてきた。
- 距離はまだ結構開いているのだが、張りのある声はよく通る。
躯体も実際以上に大きく感じられるのは、彼のまとう空気のせいだろう。
- ハンニバル=ゴールド
-
「俺の客だろ。こんな所で油売らせるんじゃねえ」
- 傍まで来ると、軽く私を見てから再びエースに言う。
-
門の番をしていた兵士が、わざわざ二人で案内しているのだ。
自分を訪ねてきたと察するのは難しくない。