- ヴィオレット
- 「北の騎士・レオン。そう呼ばれるのは嫌……?」
-
けれど、立場上、敬称をつけるのも――
悩みつつ首を傾げたわたしに、彼はしびれを切らしたように動いた。
- レオン
- 「………………ヴィオレット!!!」
- ヴィオレット
- 「!?」
- レオン
- 「やっと会えた! 俺の、……俺の運命の女!!」
- ヴィオレット
- 「――――」
-
突然覆われた視界と、身体を戒める強い力に、
わたしの思考は完全に停止した。
これは。
一体。
- レオン
-
「どんなに堪えようとしても駄目だった。
おまえを前にしたら、俺……っ。
ヴィオレット……
ヴィオレット!
もっと呼んでくれ、俺の名前。
おまえに会うためだけにここまで来たんだ」
- ヴィオレット
- 「…………っ」
- レオン
- 「もう離さねえ……! 離してたまるか!!」