アル
「……ガラハッド?」
突然、ガラハッドが雛芥子の花束を私に突き付けた。
ガラハッド
「君にはこの花が似合うと思う」
アル
「……っ」
ガラハッド
「血みたいに、宝石みたいに鮮やかに真っ赤で、でも触ると壊れそうな花びらが、君みたいだ」
アル
「そ、そうかな……」
ガラハッド
「ずっと……───そう思ってた」
私は、差し出された花束をそっと掴む。
雛芥子の花を改めて近くで見たのは初めてな気がした。美しい花だと思った。
自分がこんな美しい花に例えられるのは気恥ずかしかったけれど、ガラハッドの言葉が嬉しかった。