- 時貞
- 「綺麗なおねーさん! 貴女ですよ、貴女!」
- オランピア
- (とにかく今は夫捜しが最優先よ、彼に相談すればきっと助言がもらえるはず)
- オランピア
- (朱砂にあんな啖呵を切った手前、絶対に素敵な相手を見つけなければ)
- 時貞
- 「もう、貴女のことですったら!
僕を無視して通り過ぎようしている、真っ白なおねーさん!」
- 時貞
- 「オランピア殿!」
- オランピア
- 「え……?」
呼ばれて振り向けば、一人の男の子がにこにこと笑っている。
- 時貞
- 「良かった、やっとこっちを向いてくれましたね。さっきからずっと声をかけていたのに」
- オランピア
- 「え? 気付かなかったわ、ごめんなさい」
- 時貞
- 「……全く自覚ないんですね。まぁ自惚れ屋よりはいいですけど」
- オランピア
- 「……?」
- 時貞
- 「もしかして湯に浸かりに来たんですか?」
- 時貞
- 「僕はね、美肌に興味があってここに通ってます。おすすめですよ!」
- オランピア
- 「そ、そう?」
- オランピア
- (こんな男の子が……美肌? お肌磨き? ここではそれが普通なのかしら……)
- オランピア
- (でも、聴診器の一件もあるし、私は色々と天供島の常識を知らなさ過ぎるのよね)
- オランピア
- (また笑われないよう……慎重に会話しなければ)
- 時貞
- 「あ! そうだ! 名乗りがまだでしたよね」
- 時貞
- 「僕は【緑】の天草四郎時貞。仲良くしてくれたら嬉しいです」