- 璃空
- 「騒ぎを起こしたのは貴様だな?」
- オランピア
- 「きゃ……!?」
彼が、何の躊躇もなく刀を抜き払った。
その鋭い閃きに、足が竦む。
- 璃空
- 「確か新しい弔い屋だったな。名は何という?」
- ヒムカ
- 「ヒムカ」
- 璃空
- 「……ヒムカ。幾らお前の立場でも、許可の無い拔を行えば死罪だと知らないのか」
- オランピア
- (拔……!?)
- オランピア
- (今、確かに『拔』と言ったわよね? ならさっきのあの光はやはり……)
- ヒムカ
- 「死罪のことは今、初めて知りました。申し訳ありません」
- 璃空
- 「初めて知った、だと? この役目に就く者は必ず説明を受けるはずだ」
- ヒムカ
- 「前任の方が急死したので、色々と引き継ぎが慌ただしかったんです」
- 璃空
- 「……っ」
- 璃空
- 「では、金輪際あのような軽率な振る舞いはしないと今この場で誓え」
- ヒムカ
- 「覚えておきます」
- 璃空
- 「誓え!」
- ヒムカ
- 「無駄です。彼女にまた危険が迫ったら同じことをしますから」
- オランピア
- (え……!? わ、私?)
- 璃空
- 「……貴様」
- ヒムカ
- 「彼女は大事な存在でしょう? あんな男よりもずっと」