- オランピア
- (ど、どうしよう……突き飛ばせないし……)
ヒムカは心配そうに私を覗き込んでいる。
恥ずかしいのは私だけらしい。
- オランピア
- 「ヒ、ヒムカ? もう……大丈夫だから」
- ヒムカ
- 「え?」
腕の力が微かに緩む。
ほっとしたのも束の間───
- ヒムカ
- 「……柔らかい?」
- オランピア
- (!?)
- ヒムカ
- 「……あたたかい?」
- オランピア
- 「あ、あの……」
- オランピア
- (……!!??)
冷たい指が頬に触れて、息がとまった。
- ヒムカ
- 「……髪は、こんなにもいい香りがして」
- ヒムカ
- 「……唇も、熟れた実のようで……とても甘そう」
- オランピア
- (な、何が……起きているの?)
ヒムカの指が、頬から首筋にゆっくりと滑ってゆく。
- オランピア
- 「……っ」
それは、今まで感じたことのないものだった。
ひどく恥ずかしくて、今すぐ逃げ出したくて、
でも───離れ難い。
- ヒムカ
- 「……肌が、凄く……熱い」
- オランピア
- 「……あ……っ」
慈しむように指先でなぞられて、息が洩れた。
- ヒムカ
- 「……そうだったんだ」
- ヒムカ
- 「貴女は……こんなにも柔らかくて……」
- ヒムカ
- 「貴女の頬は……こんなにも……
───熱かったんだね」