- ヒムカ
- 「この世界から消えたいのなら消してあげましょうか」
- オランピア
- 「!?」
- 黄泉の青年
- 「ひ……っ!?」
余りにも突然だった。
近付いてくる気配など一切なかった。
- オランピア
- (この髪の色……天女島の誰かが生きていた!?)
自分が見ているものが、すぐには信じられなかった。
少女とも少年とも見えるその子の手から、
銀色の光が溢れている。
白い髪が、風もないのに生き物のようにうねっている。
しかも片腕には───髑髏。
- 黄泉の青年
- 「おい、あれは【弔い屋】だぞ!」
- オランピア
- (弔い屋? それは何……?)
- 黄泉の青年
- 「まさか、あの男を生きたまま消すつもりなのか!?」
- オランピア
- (……!?)
- 黄泉の青年
- 「ひ、あ……っ、じょ、冗談だろ……っ」
- ヒムカ
- 「僕は冗談を好みません」
- ヒムカ
- 「何故逃げようとするんですか?
さっきは消して欲しいと哀願していたくせに」
- 黄泉の青年
- 「た、助け……っ」
- ヒムカ
- 「この黄泉から逃げ出したいのでしょう? この世界から消えたいのでしょう?」
- ヒムカ
- 「自ら生を放棄したいのでしょう? もう未来を望みはしないのでしょう?」