私の構えた形代に、総佑がそっと手を添える。
どうしても顔が近づいてしまうので、妙に気恥ずかしい。
渕田 結茉
(これは修行、集中しないと……)
自然とうつむき気味になってしまい、すぐさま総佑に指摘される。
芦屋 総佑
「姿勢が崩れたな。緊張しているようだが、
人型の召喚だからといって、何も特別なことはない。
下を向かずに、目線はまっすぐ形代に向けるんだ」
芦屋 総佑
「ほら……こんな感じに」
顎に指が添えられ、くいっと持ち上げられる。
渕田 結茉
(式神召喚の前に、緊張で集中力が続かなくなりそう……)
それでもなんとか気を取り直して、形代に集中する。
芦屋 総佑
「いいか、同時に息を吹きかけるぞ。 一、二、三……」
総佑の合図にあわせて息を吹きかけると、
形代が今までの修行とは比べものにならないほど、強い光を発して──