赤噛未白

「失礼します」

混堂優等

「どうかした？　何か質問？」

赤噛未白

「ええと、そういうわけでもないんですが……」

なんて言ったらいいものかと思っていると、ひょいと奥から無月さんが顔を出した。

心条無月

「ケーキの匂いでもしたのかしら？」

組島壊音

「どうも」

無月さんに続いて、組島くんも顔を覗かせる。

赤噛未白

「あ！　無月さんと組島くんも来てたんですね」

心条無月

「暇な時はよく差し入れ持ってきてるから、覗きに来ると良いわ」

混堂優等

「丁度お茶にするところだったんだ。時間があるなら、君もどうぞ」

赤噛未白

「お邪魔します」

ありがたく招待されて、席につく。

赤噛未白

（まさか、今日も三人が集まってるとは思わなかったな）

赤噛未白

「皆さん仲良しなんですね」

組島壊音

「別にそんなんじゃない。今日はたまたまだ」

心条無月

「来るときに壊音ちゃんを見かけてね、誘ったのよ」

混堂優等

「君もいつでも来ていいからね」

赤噛未白

「ありがとうございます」

心条無月

「さ、どれがいい？女の子だから、特別に二つどうぞ」

無月さんがそう言いながら、ケーキの箱を差し出した。
色とりどりのケーキに、目移りしてしまう。

赤噛未白

「二つも食べたら太っちゃいます」

心条無月

「あら、その分運動すればいいのよ」

混堂優等

「君は細いし、少しくらい太っても、大丈夫だよ」

赤噛未白

「人並みだと思いますけど、そう言われると食べたくなっちゃいます……」

心条無月

「食べたいときは食べる。ガマンするよりも、別のところで補えばいいの」

赤噛未白

「じゃあ、いただきます！」

組島壊音

「本当に食べるのか」

赤噛未白

「え！　やっぱり食べすぎかな！？」

組島壊音

「別に。いいんじゃないか」

赤噛未白

「じゃあ、一つは無月さん半分ずつにしましょう！」

心条無月

「あら、いいの？」

混堂優等

「まあ、無月が持ってきたんだしね」

心条無月

「そういうことなら、いただこうかしら」