まぶた越しに、光を感じた。
凪咲
(……もう、朝か)
布団の中は暖かくて、出るのが億劫になってしまう。
毛布1枚しかかけていないのに、不思議なほど温もりを感じる。
凪咲
(ん……? なんか、不思議な重みが……)
段々と意識がはっきりしていく。薄く目を開けてその重みを確認すれば、なぜだか……目が合った。
凪咲
(――えっ?)
イーノ
「あ、やっと起きた。 おはよ~」
凪咲
「えっ、えっ」
イーノ
「黒の陣営も結構いい布団使ってるんだね~。しばらく添い寝させてもらったけど、ついうとうとしちゃったよ」
イーノ
「あ、きみが一緒だったからかな? 柔らかくて、暖かくて……。すごく気持ちよかったから、また寝てもいい?」
凪咲
(なななな、なんでこの人がここに!? どうして私のベッドにいるの!?)
混乱して思考がまとまらない。何か話そうとしても、上手く声が出なくて口だけがぱくぱくと動いた。
凪咲
「――」
イーノ
「ん? どうしたの?」
思い切り息を吸う。お腹に力を込めて――
凪咲
「きゃああああああああああああああああああああ」
悲鳴が、屋敷中に響き渡った。
エリヤ
「おい、どうした!? 何があった……!」
フィン
「敵襲か!?」
イーノ
「あ、おはよう。 朝から元気だね~」
エリヤ
「……お前……イーノ。 なーんで当然のような顔して ウチに侵入してんだよ……」
フィン
「それになぜ床に正座してるんだ?」
イーノ
「だって、凪咲が……」