珠紀
「……濃いなあ」

改めて全員揃ってるのを見ると、濃い。
限りなく濃い。
居間で食卓を囲むのは、拓磨、真弘先輩、祐一先輩、卓さん、美鶴ちゃんだ。
おばあちゃんは、いつもの習慣で、自室で一人食事を取る、という話だった。
……にしても。

真弘
「鍋は大根からが基本だ。煮えにくいもんから入れるのが上策。そうだな拓磨」
拓磨
「うす。奉行」
真弘
「白滝とネギも忘れるなよ」
拓磨
「うす。奉行」
祐一
「肉、入れるのか?」
拓磨
「そりゃあ、入れますよ。肉の入らない鍋なんて、邪道っすから」
祐一
「苦手だな。俺はネギと白菜だけで」
拓磨&真弘
「大、歓、迎!」

騒がしい、なあ。