すっと誰かの手が優しく、私の体を支えてくれた。
次の瞬間、重さが戻ってきて、私はその人の手に体重を預けることになっていた。
背中を通して、その人の体温を感じられる。
本当なら、とても恥ずかしいはずなのに。
でも、それよりなにより。
……驚きが先にあった。
あまりにも短い間だったから、多分他の人にはわからないだろうけど。当の本人である私にははっきりとわかる。
一瞬、私の体は空中に浮かんだのだ。
その声にやっと我に返る。
その人は心配そうな顔で私を見てる。
その人、というより、その子と言った方がいいのかもしれない。
そのくらい、きれいな顔立ちだった。祐一先輩のような浮き世離れしたきれいさじゃないけど。
優しそうな目。
なんだか、お人形みたい。