珠紀
「あ、せ、先輩……?」
祐一
「じっとしていてくれ」

背後に回った先輩の手が、そっと私の髪に触れてきた。
指先で優しく髪をわけて花を飾り付けてくれる。

珠紀
「……急に、どうしたんですか?」
祐一
「この花はおまえに似合うだろうと思った」

そう言う祐一先輩は、寄り添ってるって言えるぐらい近くにいて……。
声も耳元で聞こえてくるし……
……なんだか少し恥ずかしい。
先輩は全然気にしてないみたいだけど……。

祐一
「うん。予想通りよく似合う」
珠紀
「……ありがとうございます。先輩」