はらりはらりと舞い散る桜が、新たな出会いを祝福する季節――春。
こんな時代だからこそ誇り高き武士であれ、という、
いささか時代の流れに逆らった教育方針を掲げる私立高校
【私立薄桜学園】の門戸をひとりの少女が叩こうとしていた。
少女の名は、雪村千鶴。
しかし、今年から共学として広く門戸を開いたとはいえ、
去年までは男子校だったこの学園に入ろうという女子が
そう何人もいるわけもなく、結果的に入学した女子は千鶴ただひとり。
学園唯一の女生徒となった彼女の
慌ただしくもほんのり甘い1年が始まろうとしていた――。
※この物語は薄桜鬼のスピンオフ作品であり、
薄桜鬼本編の人物・団体等との関連性はありません。