ルパンが私を抱きとめると、
即座にオーニソプターは反転。
一瞬にして列車との距離が開いていく。
見る見る小さくなる列車から、
フィーニスが顔を出すのが見えた。
そして――。
奇怪なことに彼は微笑んでいた。
まるで私達の抵抗を楽しんでいるかのように。
それは面白い玩具を見つけた時の
子供の表情だった。
ルパンも同じ印象を受けたのか、
私を抱く手に、わずかに力が入る。
- ルパン
- 「……まんまと罠に嵌められたな……」