その一瞬は、時間が止まったかのよう。
理解が追いつかずに、
驚きの吐息だけが喉から漏れる。
- カルディア
- 「ん……」
再び触れ合った互いの前髪と、
手袋越しに伝わるかすかな温もり。
もどかしいとばかりに指を食む唇の
柔らかい感触が伝わってくる。
- インピー
- 「今はこれが限界だけど……」
- インピー
- 「大丈夫。信じて。
必ずなんとかしてみせるから」
インピーは優しく微笑む。
ともすれば毒の肌と
触れ合ってしまいそうな距離で。
目の前にある愛しい彼の顔。
それに触れられないことが、
たまらなく苦しくて、切なかった。