八重さんが私に教えてくれたのは、
砲術だけではない。
料理も、掃除も、繕いものも――
生きていく上で必要なことは
八重さんがひととおり教えてくれた。
兄上と二人暮らしだった私に
親切に世話を焼いてくれたのは八重さんだった。
男勝りだと評判の八重さんも、
今は立派に一家の妻として家庭を支えている。
私が尊敬する憧れの人だ。
憧れの八重さんみたいだと言ってもらえるのは
ちょっと嬉しいかもしれない。