GALLERY
- ジャック
- 「なら、すみませんが勝たせて頂きます。
――私には、彼女を守る役目がありますから」
- ルナ
- (ジャック……?)
- いつものおどおどとした様子も、自信なさげな気配も、どこにも残っていない。
研ぎ澄まされた殺気に、ざわりと総毛立つ。
そして――
- ジャック
- 「はっ!」
- 気がついた時には、ジャックの剣先は相手の眉間にぴたりと当てられていた。
- ルナ
- (……え?)
- あまりにも早すぎて、剣筋が見えなかった。
瞬きする暇すら、なかった。
いつの間にか、相手の手から剣がなくなっている。
――多分、ジャックが叩き落としたのだ。
- 部長
- 「……っ……」
- 音が消えた。
風が凪いだ。
時間が止まってしまったかのように誰もが言葉を無くす。