「メリークリスマス♪」
「と言っても、クリスマスには少し早いんじゃない?」
「そうなんですが、色々と大人の事情がありまして」
「あぁ、なるほどね。そういう事なら仕方ないか。 ところで、隊長はそんなに大事そうに何を持ってるわけ?」
「え!? あ、あの……ケ、ケーキを作ったんです……」
「は!? ケーキって生モノでしょ。2日も前から用意して大丈夫なの?」
「あまり大丈夫ではないとは思うのですが……
今の気温でしたらギリギリ保つのではないでしょうか。
隊長は、そのケーキを女王のために作ったのですか?」
「は、はい! そ、そうです! いちごをたっぷり使ったケーキで……」
「ふーん。隊長が作るものはいつも味はそれなりに美味しいのにデザインが壊滅的だよね。今回は大丈夫なの?」
「え? あ、だ、大丈夫……かと思います。 女王様をイメージして作っているので……」
「それ……本当に大丈夫?
すっごく嫌な予感しかしないんだけど」
「ふふっ。いいじゃないですか、クリスマスですし。 きっと女王も喜んでくれますよ」
「そ、そうでしょうか!?」
「わぁ!? いきなり大声出さないでよ!!
驚いてリースとプレゼントを落とすところだったでしょ」
「!? す、すみません……!」
「ふふっ。では、そろそろプレゼントを届けに行きましょうか」