魔術師
「姫さま……! ど、どうされました? このような場所に足をお運び下さるなんて……!」
ユーリア
「あの、入っても大丈夫ですか? なにかの作業中なら――」
魔術師
「ええ、構いませんとも! 作業といっても、大したことはしていませんから」
魔術師
「しばらく動物の姿でいたので、すっかり感覚を忘れてしまっていて。
こうして基本的な薬を調合しながら、勘を取り戻していたところなんです」
ユーリア
「基本的な薬、ですか?」
魔術師
「はい。これはほんの少し口に含んだだけで、身体がしびれて動けなくなる毒薬です」
ユーリア
「え、ええ……!?」