ルドヴィクを探して部屋の中を見回すと、長椅子に寝そべっている姿が目に入る。
近づいて顔をのぞき込むと、彼は静かな寝息を立てていた。

ルドヴィク
「……んっ……」
ユーリア
(っ……ルドヴィク……)

長椅子の上に寝そべっている格好が、犬の姿でいるときとそっくりで、私はつい微笑む。
だけど私は、いつものように背を撫でようと伸ばした手を慌てて引っ込めた。

ユーリア
(人間の姿になっても、ルドヴィクはルドヴィクなのに……)
ユーリア
(こうして眠っている姿を見ていると、まるで知らない人みたい)
ユーリア
(姫さまって言われるたびに、なんだかくすぐったくて……)
ユーリア
(今まで私の顔を見上げて嬉しそうに吠えていたときは、
ずっとそんなふうに呼んでくれていたのかな)
ユーリア
(姫さま、姫さまって……)

私はもう一度、ルドヴィクの寝顔を見詰める。
それは見知らぬ青年の姿をしていたけれど、やっぱりどことなく面影があって……。
次第に愛しさが込み上げ、私はその長い髪に触れようと手を伸ばす。

すると、ゆっくりとルドヴィクの目が開いて――。