リシャルト
「舞踏の経験は?」
ユーリア
「ご、ごめんなさい。私、そういうものは教わったことがなくて……」
リシャルト
「なに?」

リシャルトがピタリと動きをとめる。
勢いで転びかけた私を当たり前のように支え、間近で顔を覗き込んだ。

リシャルト
「それなら、最初からちゃんとしよう」
ユーリア
「え? ちゃんとって……?」

リシャルトが体勢を崩した私を立たせ、手を差し出した。

リシャルト
「俺と踊ってくださいますか、姫」