- ケント
- (落ち着いて、思い出してみるんだ。
携帯から聞こえてくる声は、かすかに反響していた。
それに、ガラスかなにかの割れる音が聞こえてきた。
彼女は……、おそらく建物の中だ)
- ケント
- (確か、この近くには管理棟があったな。よし、そこに向かってみよう!)
- ケント
- (聞こえてきた音からして、誰か第三者に危害を加えられている可能性が高い。
彼女のまわりには、以前から不審者の影があった。もしかしてそいつが……)
- ケント
- (なぜ、彼女をひとりにした!? 私はなんというバカな真似を……!
早く、彼女を助けなくては!)
- ケント
- (頼む。無事でいてくれ……! そして君を1人にした私を存分に責めて怒ってくれ!
君が無事でさえいてくれれば、罵倒されようがなんだろうが、まったく構わない!)
- ケント
- (もしこれで別れを切り出されようと、君が無事でさえいれば私は……)