「この街は昔から神隠しが多い土地でね、
精神的に参っていたり、大きな悩みを抱えている人が神隠しにあいやすいの。
あなたは大丈夫?」
高校2年生、秋のはじまる頃。
親友にそう言われ、主人公・逸色珠沙は胸をどきりとさせた。
「神隠しなんて信じてないから大丈夫」
そう、信じてはいない。
ただ……大きな悩み――進路のことがあるから戸惑っただけ。
そんな彼女の耳に聞こえてくる気味の悪い声。
【探しましょう あなたの道を。僕は あなたを闇へ誘う者】
それから珠沙の周りで不思議なことが起こりはじめて……。